移りゆく命の瞬間を、そのままに

小さな木の葉の中に限りなく大きな宇宙が広がっています
小さくても大きくても同じくらい密度の濃い物語があります

初々しい若葉のころ 虫に食われてたり、傷ついてたり 病気になったり 枯れちゃったり
葉っぱは何も語りはしないけど 一枚一枚の葉っぱたちは確かにそれぞれ物語っています
時々 描いていると小さくなって 複雑に入り組んだ葉脈の迷路に彷徨います
途方にくれて歩いていると 手抜きのない迷路の中に何か大きな 遥かなものへと続いてゆく
一本の道をみつけます

小さな木の葉にたくされた たくさんのメッセージ 神さまが地球によせた
木の葉の葉書 うん、これはなんて素敵な贈り物
手のひらの中で輝く葉っぱを見ながらまったく シャレたことをするなと
ひとりほほえんでしまいます

群馬県高崎市生まれ。東京造形大学絵画科卒業。

現在東京都立川市在住。大学在学中に街路樹の新緑の美しさに癒され、
葉っぱの魅力に取りつかれ、葉っぱをテーマにする創作活動に入る。

1991年、緻密な描写のできるテンペラ画と出会い、原寸大に描き尽くす独自の作風にいたる。
各地で個展、ワークショップを開催し、広く“葉っぱ”の精神を伝える活動している。

【おもな著書】
・「木の葉の美術館」(世界文化社)
・「木の実の宝石箱」(世界文化社)
・「街路樹 葉っぱの誌」(世界文化社)

群馬直美
葉画家
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